2020-05-12から1日間の記事一覧

蛙の草紙 福福亭とん平の意訳

作品名から考えると、蛙が主人公のようですが、鳥獣戯画に見られるような蛙が活躍する話ではありません。話を読んでみたら、民話から落語が生まれるという流れが感じられましたので、後ろに蛇足を加えました。 蛙の草紙 ある富貴な人がいました。どうしたこ…

竹生島の本地 福福亭とん平の意訳

鏡男が迷い込んだ家に、時においでになるという竹生島の弁財天が人間であった時の話を語ります。竜女が成仏したという女人往生を説く法華経五の巻が出て来ますが、『更級日記』の著者は、夢に出て来た僧に、物語にうつつを抜かさずに、「法華経五の巻を疾く…

鏡男絵巻 福福亭とん平の意訳

鏡の無い国のお話を意訳します。最後にご参考までに落語だけを付けておきます。その他の関連作品はお探しください。 鏡男絵巻 昔、近江の国の山奥の里に、貧しい男が住んでいました。男は、これまで都の文物を見ていないのは残念だと、都へ上りました。都で…

一寸法師 福福亭とん平の意訳

丈一尺の『小男の草子』の続きとして、今度は、その十分の一の丈の、誰でも知っている『一寸法師』を当たり前のように並べてみます。一寸法師が能力を持った特別の存在ではなく、ただの異形の者と思われていて、打出の小槌の能力によって幸いになるのが、『…

小男の草子 福福亭とん平の意訳

物語には、神仏が人間であった時代の出来事を語り、こうして神になるという作品がありまして、「本地もの」と呼ばれています。そのような作品を一つ、取り上げてみました。地方出の男が、どこで身に付けたか和歌に堪能であるというのは、『物くさ太郎』とも…